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アルマたちと絆の樹(小説)

アルマたちと絆の樹 第2章~

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第2章 真心の贈り物 


2月A






2月14日。
この日が何の日か知っているだろうか?
そう、言わずと知れたバレンタインデーの日だ。
女子が好きな男子に手作りチョコレートを贈ることで愛という想いを伝える、そんな日。

アクロポリスシティでもチョコレートを作ろうと料理に励む女子が増えてきている。
そのことが、ここアミスの学校でも話題は持ちきりであった。

アミスの学校とは、トンカからやってきた教師アミスが児童のための学問や教育指導のために開いた学校である。
学校と言っても教室や校舎自体は存在せず飛空庭の上に黒板、ピアノがあるだけの学校。

生徒の数もまだ少なく私を入れて4人しかいなかった。
その3人とはダークフェザー、シャノワール、ムツキ。
主に女子しかいないが明るく楽しい授業を続けていた。

ダークフェザーは『アルマ』と呼ばれるモンスターの中で特別な存在であり
人の姿に人の言葉、人の感情を持つ。
前回、ダークフェザーがアップタウンへ通行出来ないためムツキ、シャノワールと協力し合う。
ダークフェザーに『感謝』という気持ちを気づかせることが出来、アップタウンへと入ることに成功したのであった。


話は戻り。
バレンタインデーは、3人の話題の的だった。
しかし、3人は一体誰にあげるのだろうか?
ムツキは・・・ロウゲツかキクヅキにあげるだろうが、あとの2人はまったく検討がつかない。
もしかしたら校内唯一の男である私にくれるのではないのだろうか、っとそう思い快活よく学校へと行く。

ところが・・・

・・・。


私レーヴェリスは昼間だというのに街の中を走り周っていた。

「レーヴェリスちゃん!そっち行ったわよ!」
大きな声が向こうから聞こえてくる。
一匹の犬が猛スピードで私に向かって走ってきて、スルリと私の足元と捕まえようとした手をかわして後ろへと走り去っていた。

「あぁん、もうちょっとだったのに~」
残念がる先ほど声をあげた女性。
ツインテールおさげに黒のレオタードのようなセクシーな服、黒いマフラー。
悪魔の翼、頭にヤギのツノを生やした18歳ぐらいの女性。
彼女の名はキサラギ。

一見、怪しい服装で男を誘惑していそうな格好と口調だが彼女もまたムツキと同じ守護魔である。

去年の2月に出会った守護魔で
その時は、いつまで待っても現れない3月の守護魔ヤヨイを探すために協力したわけだが、彼女もムツキと同様にヒトトセの卵の『想いの力』と言われる不思議な力で人の姿になったのだろう。
そして、今年もキサラギによってある協力をさせられていた。

それがなぜ、私が犬を追いかけていることになるのか・・・。
それは数時間前に遡る。




2月B






2時間前・・・
チョコがもしかしたら貰えるのでは、っと快活よく学校へと来たわけだが
アミス先生が誰かと話し込んでいた。

そこにいたのは守護魔・キサラギであった。
ムツキからアミス先生の学校について聞いたのか「私も生徒にしてほしい~」と懇願していた。

もちろんアミス先生は了承したが・・・
キサラギは突然、まだ授業が始まってもいないのに「『恋愛』の授業をしま~す!」
と言い始め、今いるのは私レーヴェリスだけだが、私を引っ張り、街へと出て行った。


授業の内容を尋ねると
「今日はバレンタインデー、バレンタインデーと言えば?そう、とーぜん愛の告白よね!」
「恋人達の熱く燃え上がる愛と情熱のパワーで冬の寒さを吹き飛ばす!」
「それが2月の守護魔である、私の役目なの」
「だけど、女の子は男の子に告白する(チョコを渡す)のに、どうやって渡したらいいかためらってしまうもの」
坦々と言うキサラギ。

それで?っと私は言う。

「そんな、女の子達をうまくいくようにするのよ!」

何をそんな当たり前のことを、みたいに言われても・・・
何となくわかってはいたけど、それは流石にお節介では・・・
っと聞かずにキサラギは何かを木陰からこっそり見ていた。


「あっちの方に『トルテ』って子がいるわ」
「『ザッハ』って男の子に愛の告白をした(チョコをわたした)いんだけど、中々勇気が出せないみたいなのよね」
「まず、あの子がうまくいくよう応援しましょう!」


アップタウンの東側の白い聖堂の裏側にいるピンク色のファーコーデを着た少女、彼女がトルテで。
その少女が見つめる先にいる黒いジャケットに長い髪が目立つ少年がザッハか。


トルテはブツブツと1人で何かを言い何度も大きな息をついてはまた、何かを言っている。

・・・少し近づいてみるか。

「・・・きゅーじゅはーち、きゅーじゅーきゅ、ひゃく!」
「うん、今度こそいくわ・・・告白する・・・!」
「すー、はー・・・すー、はー・・・」

「・・・ザッハくん私のチョコケーキ受け取ってくれるかな・・・」
っと言い、少し考えてる・・・
「あ・・・あと百数えたら告白する・・・!」

どうやら、これを繰り返しているみたいだ。
この分だと陽が暮れてしまいそうだ・・・

「あの子よ、ね、初々しいでしょ?」
何故か楽しそうに言うキサラギ。

「思い出すなぁ・・・告白しようとして声をかけられなくてお兄様の後姿を見ていたこと・・・」
お兄様?ロウゲツのことかな?
「・・・って私のことはいいの」
「さあ、応援するわよ!」

う~ん、と言い少しうなだれるキサラギ。

「具体的に言うと、うまくいくように祈りながら邪魔しないように見守るのよ!」
つまり結局は私たちは何もしないんですね・・・了解。

「・・・きゅーじゅはーち、きゅーじゅーきゅ、ひゃく!」
トルテはまだ数えていた。

「がんばれ~きっとうまくいくわよ~」
ガッツポーズで木陰から見守るキサラギ。

「うん・・・きっと、きっと上手くいく・・・!」
「チョコケーキだって、割りと上手にできたもの・・・!」

トルテの手に持っていたのは、持っている手よりも少し大きめの立方体の白い箱に赤いリボンが巻いてある。
あの中に手作りチョコケーキがあるらしい。

・・・ん。
トルテの足元に小さな黒い人影が見える。


「くんくんくん・・・」
「おいしそうな匂い、この箱からするですか・・・?」

トルテが目をつぶって決意を固めているところを手に持っていたチョコケーキの箱をひょいっと取った少女がいた。


「あ・・・あのっ!」
「こ、こ、これっ・・・!」
トルテはまだチョコケーキが無いことに気づいてないらしく
ザッハにチョコをあげる練習をしていた。


(びくっ!)
少女は驚いた顔でトルテを見ていた。

「・・・え、あれっ?・・・チョコケーキがない・・・!」
「あ、あなたが持ってる、その箱はっ!」
「返して、大切なものなの!」
ようやく気づいたが・・・

「あっ、あっ・・・おっきな声」
「怖いです、逃げるです・・・!」
そう言って少女は走り去ってしまった。

「待って・・!」
「あっ!」
ずて~ん!と音を立て盛大にこけたトルテ。

「そ、そんなぁ、こんなことって・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」
そうしていたら少女はあっという間にいなくなっていた。

「・・・もうダメだわ・・・ぐすっ、ぐすっ・・・ふぇぇ~~ん!」
ついに泣き出してしまった。

それを木陰から見ていたキサラギはというと・・・

「な・・・なんなのあの子!」
「告白タイムの女の子からバレンタインのチョコを奪っていくなんて・・・!」
「ありえない、人としてありえないわ!」

怒りが頂点に達していた・・・
いや、もはや燃えている!?


「絶っっ対、許せない!」
「追いかけるわよ!チョコを取り返すの!」

あぁ・・・やっぱり私も行くのですね・・・
わかってはいたけどね・・・
そう思いながら先ほど少女が走って行った跡を追った。


チョコを持って逃げたその少女は、以外にもすぐ近くの曲がり角にいた。


「くんくんくん・・・ぺろぺろ・・・」
「おいしい~においだけど周りはおいしくないです」
「中がおいしいです・・・?」
箱をペロペロと舌で舐めていたが「うぇ」と吐き気をするような顔で再び
匂いをかいでいた。

ついにその少女は・・・
(べりべり)
と包み箱を破る音を立て中身を出してしまった。


「食べちゃだめっ!」
静止させようと大声でキサラギは、少女に警告した。

「それを返しなさいっ、チョコどろぼう!」

よく見ると、その少女はダークフェザーと同じくらいの幼い9歳ぐらいの少女だった。
垂れた犬のような耳に可愛らしい犬の肉球模様の袖をした青い服を着ている。
手には古びた看板のようなものを持っていた。


「わぅっ?!」
驚いた少女は光と共に違う姿へと変身した。

それは見間違えることがなく「バウ」だった。
アクロニア周辺に生息していて初心冒険者たちに群れで襲いかかる犬のモンスターだ。


「えっ!?」
「い、今の子はいったい?あ、もしかして!?」
「そっか、あの子もムツキが言ってた『アルマ』なのね!」
「ヒトと同じ心をもっててヒトと同じ姿に変身できるっていうけど・・・」
「ううん、女の子の告白を邪魔するだなんて、ヒトの心があったら絶対できないわっ!」
っと言っている間に逃げられてしまった・・・
しかも器用にもチョコケーキを頭に乗せたまま。


しかも今度は、人通りが多い商店街区へと走って逃げていった。
今度は犬の姿だし見つけるのは人苦労だなぁと思うがキサラギの怒りは止まらず。
その犬の少女を追いかけることにした・・・




2月D





これが成り行きであり今に至る。
少し長くなってしまったが犬を追いかける理由がこれだ。

しかし・・・ひょいひょいっと人と人との足の間を華麗に避ける犬の少女、もといバウは
私とキサラギで捕まえるのに苦労していた。
捕縛魔法や攻撃魔法、またはそれに類する技を使うなら早いが人通りが多い街の中で使うわけにもいかない。

キサラギも何回も先読みしてテレポートをおこなうが逃げられてしまう。

「見つけたわっ!大人しくしなさい!チョコどろぼう!」
がっつしっと尻尾を握ってキサラギは叫ぶ。

それが聞こえて私もようやく捕まえたかと思い駆けつけたら・・・
いや・・・違う人だし・・・しかもキサラギは気づかない。

丸メガネをかけた猫耳、どこから見ても犬の尻尾ではなく猫の尻尾にリボンをつけた
ミニスカートの少女。
この少女もどこかで見たような・・・

「えっ?・・・どろぼう?」

「ふふっ、いくらヒトの姿に化けても、キサラギ様の目はごまかせないわ!ほらっ!」
キサラギが握っている尻尾をレーヴェリスに向けて引っ張る。
というか、キサラギさん彼女のスカートの中身が丸見えですよ・・・

「きゃっ!なになに!?」
間違えられた少女は慌ててスカートを抑える。

「ふふっ、頭隠して尻尾隠さずね」
やっと尻尾を離すと次ぎは・・・

「さ~て、チョコはどこに隠したのかしら、仔犬ちゃん?」
間違えられた少女の体を触りまくりチョコを探すキサラギ。


「く、くすぐったい~!」
「あたしイヌじゃないよ!やめて~!」

「あら?そういえば、しっぽの形が違うような・・・?」
ようやく気づいたころには、間違えられた人は悶え死んでた・・・


「・・・あ、あはは」と苦笑いをするキサラギ。

「ごめんなさい、人違い・・・だったのね」
「ところで、あなた仔犬か仔犬っぽい女の子見なかったかしら?」


「仔犬?女の子?」
「犬だったらさっき、あっちの方に走っていったよ?」
っと指をさす方向は商店街区の路地裏の方角だった。

「チョコどろうぼうはあっち、と・・・」
「確か、この先は東可動橋のほうまで一本道だったわね・・・」
もしかしたら挟みうちに出来るかもしれない。

そう考えたキサラギは
「私は先回りするから、あなたたちはこっちから追いかけて!はさみうちよ」


「・・・・」
少し間が止まった。

「えっ?あなた『たち』?」
「わたしもお手伝いするの?」
返事をしないままキサラギはテレポートで消えていた。

『間違えられた少女』もとい今度は『巻き込まれた少女』は私が経緯を説明して協力するように頼んだ。




2月E




アップタウン商店街区の路地裏は表と違い人は
ほとんどいないし建物で1日中太陽の光が差し込まない場所もある。

ガターン!とゴミ箱を吹き飛ばしながら逃げるバウ。
それを追うレーヴェリスと巻き込まれた少女。

だが今度は逃げられるはずもない。
目の前にキサラギが立ち足元をかわして逃げるにも路地裏は狭過ぎる。

観念したのか建物の影に身を潜めたバウ。

「ふふっ、もう逃げられないわよ!」
キサラギはじわりじわりっと間合いを詰めながらバウに寄る。

「に、にげられないよ~」
「だから、あばれないでね~?」
巻き込まれた少女も詰め寄る。


「くぅんくぅん・・・」
っと鳴きながら後へと下がるバウだがもう後は壁だ。
よほどチョコケーキを渡したくないのか・・・


「さあ、チョコケーキを返しなさい」
「それは、あなたが食べていいものじゃないの」
「一年に一度のこの季節に内気な女の子でもチョコを渡すだけで、好きな男の子に想いを伝えられる・・・」
「そのチョコケーキは人の想いが詰まった、とても大切なおくりものなのよ?」
キサラギは説得する。


「それに、犬はチョコ食べるとおなかが痛くなっちゃうから絶対食べちゃダメなんだよ~!」
巻き込まれた少女も。

確かチョコに含まれる“テオブロミン”といわれる成分が犬に有害だといわれている。
犬によって個体差はあるけど死ぬことも稀にあるようだ。

「!?」
「おなかいたいの、いやです」
犬のバウから人の姿へと戻った。

「チョコ、こわいです。ぶるぶる・・・」
少し体を振るわせる。

「でも、ぼくはとってもおなかがすいてるです・・・」
ぐぅ~~っと何とも言えぬ腹の音が響き渡る・・・。

「だったら私と一緒にいらっしゃい」
「もっと、おいしいご飯を食べさせてあげるから、ね?」
まるで仔犬を拾うかのように優しく言うキサラギ。


「ごはんくれるですか!?」
「もしかしていい人ですか!?」
目を輝かせキサラギに寄る犬の少女。
犬の少女はチョコケーキをふと見て、次は巻き込まれた少女を見る。

「チョコケーキはお姉さんにかえすです」
そう言い巻き込まれた少女へと駆け寄る。
どうやらチョコケーキの持ち主トルテを巻き込まれた少女と勘違いをしたらしい。

「あっ!その子は、トルテちゃんじゃ・・・」
キサラギが止めようとした瞬間だった。

最悪の展開が起こってしまったかもしれない。

「えっ?・・・あっ!」

(ぐしゃ)

それは、もう小気味良いくらいのひしゃげた音。
やわらかいトマトを床に落としたような。
その(ぐしゃっ)もしくは(グシャっ)という音は、その場にいた誰もが聴いただろう・・・

何が起きたのか。
それは・・・
呼び止められた犬の少女は止まらずに顔だけキサラギに向けた為、前を見ずに巻き込まれた少女へと直進。
当然、犬の少女が手に持っていたチョコケーキは巻き込まれた少女と衝突をしてしまった。

その(ぐしゃっ)とした音は、そのチョコケーキが潰れてしまった、その音である。


巻き込まれた少女の服はチョコで汚れてしまったが、何よりも大変なことしてしまったっと気づいたのは、
何が起きたかわからない犬の少女以外の3人である私とキサラギ、巻き込まれた少女である。


「あっ、ああああああ!!」
「つ、潰れちゃった!」
この悲鳴で全員、我にかえる。

「つ・・・つぶれちゃった・・・の?」
「女の子の想いが詰まった大切なチョコケーキが・・・」
キサラギは残念そうに潰れて地面に落ちたチョコケーキを見続ける。


「ごめんなさい・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」
巻き込まれた少女は泣き出す。
無理もない、キサラギが無理やり巻き込んだあげく他人のチョコケーキを潰してしまうことになろうとは・・・

「泣かないで、あなたは悪くないの!」
「悪いのは・・・そう!」
「あなたを巻き込んだこの私と、主にレーヴェリスちゃんだから・・・ね?」
キサラギは慰めながら巻き込まれた少女の服についたチョコケーキを魔法で洗い流した。
一瞬で服は綺麗になったが心は直せない。

っておい、キサラギさん?
主にって・・・


「ぐすっ・・・でも・・・」
『罪悪感』その3文字が彼女の中で消えない限り決して泣き止むことはないだろう。


「どうして泣いている、ですか?」
「おなかすいたですか・・・?」
泣いている顔を手で隠す巻き込まれた少女を下から見上げる犬の少女が不思議そうに言う。
どうやら何が起きたのか理解していない模様だ。

「とにかく皆、一緒にいらっしゃい!」
声を上げてキサラギは犬の少女の襟元をぐいっと掴みズルズル引きずりながら歩いていく。
犬の少女は「くぅ~~ん?」と不思議そうな顔で引きずられて行った・・・

レーヴェリスは泣いている巻き込まれた少女の肩に手をポンッと置き無言で誘導する。




2月F





キサラギが2人を招いた場所はアミスの学校だった。
朝以来だろうか、ここへ戻ってくるのは。
朝と違うのは、そこにシャノワール、ムツキ、ダークフェザーがいたからだ。
もう昼だから当たり前なんだけどね・・・。


「アミス先生、ちょっといいかしら?」
「この子たちなんだけど・・・」
キサラギは授業中のアミス先生に助けを求めた。


「あら?キサラギちゃんの新しい友達・・・?」
「ようこそ、私の飛空庭へ」


戻ってきた4人を見たアミス先生は驚いただろう。
1人は今は泣き止んでいるがずっと下を向いたまま気落ちした猫耳の少女。
1人はキサラギが逃がさないように襟元を掴んでいる犬耳の少女。


「おなかすいたです、ぺこぺこです・・・」
(ぐぅ~ぐぅ~)っとすごい腹音を鳴らしながら横たわる犬の少女。
空腹で今も死にそうな勢いだ。

それを見たキサラギはようやく犬の少女の襟元から手を離す。
「えっと、ちょっと訳ありの子で・・・」
「先生、まず何か食べさせてあげて?」


「お腹がすいているのね?」
「あなた、お名前は?」

「ぼくはバウです」
横たわりながら言う。
しかし、思っていたとおり名前はバウ・アルマだったのか。

「!?あなた私と同じ・・・?」
ダークフェザーはジーっとバウを見る。

「バウちゃんね」
「待ってて、すぐに何か作るわね」
アミス先生は調理を始めた。


アミス先生が料理を作っている間。
ようやく巻き込まれた少女は顔を上げた。
「・・・あっ!黒ねえさん!」

巻き込まれた少女が指をさしたのはシャノワールだ。

「・・・!くる・・・!」
「・・・コホン、我が妹よ!こっちへ・・・!」
巻き込まれた少女とシャノワールは奥のほうでヒソヒソ話を始めた。

「ムツキ、ちょっと・・・」
キサラギもムツキを呼び反対方向でヒソヒソ話を始めた。

「・・・無事でよかった・・・」
「・・・なちゃんは・・・?」
「・・・いや・・・まだ・・・」
「・・・ここにいたら・・・」
「・・・違う名前を・・・」
と微かに聞こえてたシャノワールたちの会話。


「・・・フェザーと同じ・・・」
「・・・あの方も心を・・・」
「・・・まだ、善悪が・・・」
「・・・はい、教えないと・・・」
こちらも微かに聞こえたキサラギたちの会話。
バウのことについて話していることはわかるがシャノワールたちは何を言っているのかわからなかった。

数分後、料理が出来みんなで食べることに。
遠慮なしにバクバクと食べるバウ。
それを見ながらダークフェザーはゆっくりと落ち着いて食べている。
私も一緒に食べヒソヒソ話をしている4人2組は、会話に夢中らしい。
そして、ようやく食べ終わる。

「・・・おなかいっぱいです!」
「アミス先生、だぁーいすきっ!」
満腹になったバウはご機嫌が良くなりアミス先生に抱きつく。

「バウちゃん?バウちゃんが良ければ」
「ずっと、ここにいていいのよ?」
アミス先生はバウも生徒にする気らしい。

「アミス先生の生徒になって、人の・・・この世界のことを、たくさん学ぶといいですよ!」
ムツキも誘う。

「わかりました!」
「ぼくもアミス先生の『せいと』になるです!」

「あっ、あたしも、く・・・シャノワールおねえさんと一緒に、生徒になりたいです!」
巻き込まれた少女も慌てて入学する。

「もちろん大歓迎よ!」
「それで、あなたのお名前は?」

「く・・・えっと、『みるく』です」
巻き込まれた少女、改め『みるく』となりましたが、両者必ず『く』が来て言い間違えそうになるのはなんでだろうか・・・?

「シャノワールさん、妹さんが見つかってよかったですね!」
笑顔で言うムツキ。

「ああ、他の妹たちもいつかきっと・・・」


「それじゃ、さっそく最初の授業ね」
アミス先生の授業がようやく再開される。

っと思ったらキサラギは手を挙げて。
「バウちゃんにはまず人のものを勝手に取ったらダメ!」
「ってことを教えてあげないと!」


「えっ?どういうことなの・・・?」
アミス先生は驚くと共に疑問を感じた。

キサラギは何が起きたかを説明した。
トルテのこと、ザッハのこと、その告白を邪魔したチョコどろぼうの正体がバウだったことも。
巻き込まれたみるく、潰してしまったチョコケーキの存在。
そして、これからどうするべきか。

もちろんバウは元が犬のモンスターだということ以外は・・・

「人が持っているものを勝手に取るなんて」
「あなた、バカなの?」
ダークフェザーは冷静にバウに諭す。

「くぅ~~ん・・・」
しょんぼりするバウは地面に顔を向ける。


「人の贈り物をダメにしちゃったのなら・・・・」
「そうね、おわびのおくりものをしてみたらどうかしら?」
アミス先生の提案にレーヴェリスや他の生徒たちも賛同した。


「おわびのおくりもの?」
バウはそれが何かわからない。

「チョコケーキをダメにしちゃったから、代わりをあげたら許してくれるかなぁ?」
みるくは少し不安気に言うが、これしか方法はないっと確信した。

「それはどうかしら・・・」
「あれは世界にたった一つだけの手作りチョコケーキなの」
「代わりになるチョコケーキなんて、あの子以外、作れないわ」
キサラギは反論をする。

「ぐす・・・あたしのせいで・・・・」
あの時を思い出しまた泣きそうになるみるく。

「あ・・・!え・・えぇと・・・」
慌てて何か別なことを言おうと焦るキサラギ。

「大丈夫ですよ、みるくさん」
「きっと、何かいい方法がありますから」
代わりにムツキが慰める。

だが、1度失くしたものを再び手に入れるのは難しいのも事実。

「・・・世界にたった一つだけに手作りチョコケーキは確かに取り返せない」
「だが、チョコケーキをもう1度作ることなら不可能じゃないだろう?」
「トルテがもう1度、手作りできるようにチョコケーキの材料や調理道具を揃えてあやまってみたらどうだ?」
シャノワールはみるくをフォローするように皆を説得する。

「黒おねえさん・・・!」

「シャノワール、だ」
「く・・・みるく」
即座に訂正を入れるシャノワール。


「ふふっ、甘いわねシャノワール」
「チョコレートより甘いわ!」
キサラギはニヤリと笑う。


「なに・・・?」

「お詫びっていうのは、相手にどうして欲しいか聞いて出来るだけ希望通りにしてあげるべきじゃない?」
キサラギの言うことも一理ある。

「むっ・・・確かに・・・」


「まあ、このキサラギお姉さんにはトルテちゃんの希望はお見通しなんだけど、ね?」
「トルテちゃんに必要なのは、私みたいなオトナの魅力よ!」
「だから、私がコーディネイトしてあげれば・・・ふふっ、楽しみね!」
もはやバレンタインデーではなくなっています。
っというよりキサラギの希望になっているような・・・


こうして、代わりのチョコケーキを作ってもらうか
キサラギの言うコーディネイトで告白を決めるかの2択になった。


さて、どちらを選ぼうか・・・










あれから皆が出した結論はシャノワールの謝ってチョコケーキを作ってもらうことになった。
キサラギは、それはそれで何か良いことを思いついたのか了承をしてくれた。
必要なものをそれぞれアミス先生が指示を出して生徒全員で買出しへと商店街区へと向かった。

・・・

数分が経つ・・・

調理器具に材料を揃え終えた生徒達。

「それじゃ、材料と調理器具一式を・・バウ!」
「落とさないように注意して運ぶのよ」
キサラギが指示する。

「ぼく、がんばります!」
「・・・むきゅう・・・」
「お、おもいですぅ・・・」
「さあ、トルテちゃんに会いにいくわよ!」
調理器具をガチャガチャと鳴らせながら必死に持つバウ。
さすがに重そうなので私も少し持ってあげた。
というよりも・・・全員で持って行けばいいのにバウだけにすべての器具や材料を持たせるのは大変だろう。
「むきゅ~」と言いながらバウは左へフラフラ、右へフラフラと歩いている。

これもバウの罰なのだろうが、落とさせたくないのであれば持って上げてもいいのに・・・

ようやくトルテが見つかり、そこに到着した。
「トルテちゃん、私たちと一緒にチョコケーキを作らない?」

「あ、その子、わたしのチョコ・・・!」
トルテが何よりもまず目が先にいったのはキサラギよりもバウだった。

「ええ、あなたのチョコケーキをダメにした犯人よ」

「ごめんなさいっ・・・」
バウよりも先に謝ったんのがみるくだった。

「バウちゃん、ごめんなさいしなさい」
バウも言うように指示をするキサラギ。

「ごめんなさい・・・」
バウの犬耳の垂れ具合がさらに垂れてた。

「この子も反省して、あなたの告白がうまくいくように協力したいんですって」
「材料と道具は、こっちで準備したわ」
「もう1度、カレのハートをキャッチする、究極のチョコケーキを!」

「みるくもお手伝いするの!」
「ぼくもがんばります!」
もちろんレーヴェリスもやろう。

「しかも、今ならキサラギ先生の『オトナの告白講座』も無料で受けられるわよ?」
やはりそれが狙いか・・・

「オトナの・・無料・・・?」
「じゃあ・・・やってみようかな・・・」
トルテは已むなしに一息ついて頷いた。

ついにチョコケーキ再作りがスタートした。
場所はトルテの家の調理場を借りて作業開始だ。


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・


「まぜまぜ、まぜまぜ」
「くぅ~ん・・・」
「おいしそうなにおい・・・」
「だけど、たべちゃだめ、たべちゃだめ・・・」

バウはチョコの我慢と誘惑の連鎖に襲われながらも調理している。
つい、うっかり手を出して食べてしまった、なんてことにならないようにレーヴェリスが横で手伝っている。


「あっ!(がしゃーん)」
「あああああ!」
「・・・落としちゃった~」
みるくがチョコをかき混ぜるときにボールごと落としてしまった
また泣いている・・・


「落ち着いて、ね?」
「大丈夫だから・・・」
優しくトルテは、みるくをなぐさめながら片付けている。

そして、キサラギはというと・・・
「はい、注目~」
「オトナの女はね」
作っているかと思ったら一人で『オトナの告白講座』をしていた!

それを作業しながら聞くトルテ。


・・・

・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・


「できた・・・!」
「前より上手くできたわ・・・!」
ついに完成しトルテは感極まる。
だが、本番はここからだ。

「さあ!冷めないうちに、告白よ!」
キサラギの一言でドキッとしたトルテ。

手分けしてザッハを探し出す。
キサラギが見つけ皆をその場所へと呼んだ。


「あ、あの、やっぱりまだ心の準備が・・・」

「オトナのオンナ心得第14条ぉ~?」

「え、えっとぉ・・・『告白すること風のごとし』?」
あ、ちゃんと『オトナの告白講座』を聞いて覚えていたんだ・・・
うん、まあ、いいけどね。

「オトナのオンナは『告白しようかな、でも、でも・・・』なんて、ためらったりしないの」
「『あ、この人好きかも』て思った瞬間、もう告ってるのよ!」
「告白なんてのはね、ゴールじゃなくてスタートなの!」
「いちいち立ち止まってたらオトナのオンナになる前におばあちゃんになっちゃうわよ?」
もう、それってほぼ直感&直球で行け!ってことですね。

「トルテさん勇気だして!」

「ぼくもおーえんしてるです!」
みるくもバウも応援する。


「・・・よしっありがとう、みんな、いってくる・・・!」
また一息大きく吸って吐く。

ザッハに近づくトルテ。
「あ、あのっっ・・・!」

「えっ?」
誰に言ってるかわからずザッハは左右を見て自分に言っていることに気づく。

「あの・・・君は・・・?」

「わ、わたしトルテって言って・・・」
「あの、あの・・・」
顔が夕日よりも赤くなりながら言葉を絞りだす。

「こ、これっ!」
バッと両手にチョコケーキを持ってザッハに差し出す。

「あ、こ、これってもしかして・・・?」
ようやく、何なのかを理解したザッハ。

(かぁ~)
2人とも顔を赤らめてしまい少し無言が続く。

「あら~・・・キサラギ先生の『口説き文句』忘れちゃってるわね・・・」
キサラギ先生、さすがにあの状況で言うのはというか、
かなりの上級者じゃないと難しいと思いますよ。


「ばばば・・・バレンタイン・・・ってことでいいのかな?」
少し噛みながらザッハは確認を取る。

(こくり)
それに答えるように頷くトルテ。


「その・・・君のこと、よく知らないから・・・」


「・・・っ!」
『そ、そうだった!』っと言いたげな顔をするトルテ。

「だから最初はトモダチからでいいかな・・・?」

「は、はぃいぃぃ」
今度は嬉しさのあまり涙を流しながら大声で言う。


「・・・えっと、その、なんだ、つまり・・・」
「ありがとう、これからもろしくね」

「こちらこそ、よろしくおねがしまし・・・あぅう・・・」
噛んだ。

「これ、チョコケーキだね!」
「食べてもいいかな?」

「ど、どうぞ!」
その後、おいしく食べているザッハ。
それに嬉しそうに答えるトルテを見ながら


2月I



これ以上は邪魔しちゃダメと言いそうな顔をしたキサラギは、無言でレーヴェリスとバウとみるくの肩を叩きこの場を去るよう指示をした。

帰路の途中・・・

「よかったね、トルテさん」
みるくは嬉しく言う。

「う~ん、まぁお子ちゃま同士だし、これでいいのかしらね」
キサラギはちょっと、納得いかない終わり方だったようだ。

「トルテさん、あの人がご主人さまになったですね!」
「とってもうれしそうです!」
バウ・・・それは、ちょっと違うような・・・

「・・・ごしゅじんさま?」
みるくも不思議そうに言う。

「ふふっ、あなたたちもオトナになればわかるかもね?」
キサラギは微笑む。

「・・・おくりもの・・・」
「おくりものをすると心が伝わるんですね!」
「よぉーし・・・ごそごそ」
バウが何かを取り出そうとしている?

「ふふっ、焦らない焦らない」
「さあ、学校へ急ぐわよ!」







「・・・というわけで」
「皆で作ったチョコケーキで告白がうまくいって、みんな丸く収まったってわけ」
学校についてキサラギがアミス先生たちに事の顛末を説明した。

「ケーキ作るの、と~っても面白かったよ!」

「そうか、いい勉強したな」
「く・・・みるく」
シャノワールはみるくの頭をなでる。


「・・・」

「あら?どうしたの?バウちゃん」
「おなかでも空いたの?」
バウが下を向いて何かを考えている姿をアミス先生は心配そうに言う。

「ぼくは、かんがえたです」
「トルテさんは好きな人に、おくりものをあげられてうれしそうだったです」
「もらった人もなんだかうれしそうだったです」
「だから、ぼくもうれしかったです」

「・・・だけど・・・人のものをとることはダメなことです」
「その人のうれしいも、しあわせも・・・みんなみんな、なくなっちゃうです・・・」
「みんながかなしくなるです・・・」

「ぼくはわるいバウです・・・」
「・・・ぐすっ・・ごめんなさい・・・!」

何かしら人は相手に贈り物をする、それは心のこもった大切なもの。
もしかしたら、その贈り物によって今後に影響するものも存在する。
自分の気持ちが込められた物を相手が受け取れば、それがきっかけで言葉、礼儀、今回のような愛などに変化する。
それを無作為に奪ったり、取ったりすることは決していけないことだということに
バウは気づいたようだ。


2月G



「バウ、あなたはバカだったけど・・・」
「今はバカじゃないわ」
「だって、人のものを勝手に取るのは悪いことだって、わかるようになったもの」
ダークフェザーは慰める。

「くぅ~ん・・・」

「私もまだわからないことばっかなの」
「だから・・・いっしょに勉強しましょ?」
ダークフェザーは少しモジモジっとして頬を染めながらウィリー・ドゥの耳を引っ張る。
ウィリー・ドゥが少し泣いているようにも見えるが・・・

「はいっ、ぼく、ダークフェザーちゃんと一緒に勉強します!」

「ダークフェザーちゃん」
「だぁーいすきっ!」
「わぅわぅーん」
(ぺろぺろ)
バウはダークフェザーの顔を舌で舐めている・・・

「きゃっ・・・!?や、やめて、くすぐったい!」
ウィリー・ドゥをバウに押し付けてやめさせようとするが、それでもしつこくせまる。



「あらま!若い子は大胆ねぇ」
キサラギは笑顔で言う。

「うれしんだよね、バウちゃん!」
みるくも。

「もう、そういうときは『ありがとう』って言えばいいのに・・・」
「むー・・・」
再びウィリー・ドゥをバウに押し付けながら静止させようとするダークフェザー。

「ありがとう?」
「・・・ありがとう!」
「アミス先生」
「ぼくはいっぱい教えて欲しいです」
「わるいことがわかるように」
「だれかのうれしいをなくさないように・・・!」
満面の笑顔で答えたバウ。
バウは『アルマ』として『人の心』として、その『嬉しい』という気持ちが何なのかを理解できた。

その時だった。
         
忘れもしない、あの時と同じ空の彼方から一条の光がほとばしる。




8 終節

「ぷるぷるっ!」
ぷるぷるが振るえる。


「・・・今、何か光ったわ?」
ダークフェザーが空をキョロキョロと見回す。

「黒おねえさん!」
「あの光って、あの時の・・・!?」

「お、落ち着け、く・・みるく」
「私はシャノワール、だ」
こんなときでも律儀に正す。


「あっ!くんくん・・・また、あの匂いがするです」
「うれしいにおいがするです!」
よくわからないが、何かを嗅いでいるバウ。


「私を呼んでいたあの光・・・」
「バウ、あなたもわかるのね?」

「わかるです!」
「あっちのほうです!」
どうやらバウの指差す方向に何かあるようだが・・・
見えるのは空と雲だけ。



「アミス先生、お願い!」
「飛空庭をあっちに動かして!」
アミス先生の服をぐいぐいっと引っ張るダークフェザー。

「えっ!?」
「あ・・・えっと・・・ね」
「ごめんなさい、私、ものすごく操縦が下手で・・・」
困り顔で返答する、本当に下手なようだ。


「あら、だったら私に操縦させてくれない?」
意気揚々と舵の前に足を運ぶキサラギ。

「キサラギさん、そうじゅうできるの?」
「すごいなぁ・・・!」
くるみは「おぉ~」と言いながら拍手する。


「私もキサラギさんが操縦できるなんて、知りませんでした」
ムツキも初耳のようだが・・・?
大丈夫なのか訊いてみると・・・

「ううん?やったことないから、一度やってみたかっただけよ?」
つまり、操縦はしたことがないと・・・


「えっ・・・」
ムツキの顔が徐々に真っ青になってる・・・

「それじゃ行くわよ!」
思いっきり舵をグルグルっと回し面舵を切るキサラギ。
あまりの回転に皆は悲鳴をあげて地面にしがみつく。
「しっかり掴まっててね♪」
っと可愛く言うが洒落になってない。

ぶっちゃけ、無免許運転のようなもので、しかもスポーツカーのように・・・スピードを出す!

とにかく速い!
速過ぎる!!!
キサラギは気持ちよさげに鼻歌を歌いながら操縦している。

時速はもう何十キロ出しているか分からない。


「ダークフェザーちゃん、それでどっち~?」
猛スピードでも普通に聞くキサラギにダークフェザーは・・・

「あ、ああ、あっち」
っと小さい指でプルプルと奮えながら南東へと指差す。
ムツキは顔を青ざめて何も言わない。
ただ、しっかりと私にしがみつく。

バウは「はやいです~(><)」と言いながら楽しそうに言う。
アミス先生はぷるぷると自分が飛ばされないように抑えるのが精一杯のようだ。



「み、み、見つけた・・・!」
ダークフェザーの一言でキキキキキッとエンジン音が急ブレーキをかけたことがわかる。
ようやく止まり、バウとダークフェザー以外は吐きそうな顔で地面にはいつくばっている・・・

「あ!」とダークフェザーが言うと急に走り出して飛空庭の端のギリギリの位置で止まる。

「ダークフェザーちゃん、走ったらだめ!」
「落ちたりしたら大変よ!?」
アミス先生はダークフェザーを戻そうと近づく。

「アミス先生、あれが、トンカ島か・・・?」
「先生の故郷の・・・」
それを止めたシャノワール。

「えっ?」
「どこかしら?」
っと下を見ながら探す。


「だ、ダークフェザーさん、今のうちに・・・」
少し気分が悪そうに言うムツキ。
どうやらアミス先生に気づかれないようにするシャノワールの作戦のようだ。

再びムツキは口を抑えて吐きそうになっている。
ムツキ・・・頑張った。


2月H



「ウィリー・ドゥ!」
「取ってきて~~~頂戴!」
ダークフェザーは力一杯にウィリー・ドゥを・・・投げ飛ばした?!
ひゅ~~~んっと飛んで・・・いや、落ちていくウィリー・ドゥ。
友達を投げてしまったよ・・・

ひゅ~~~~ん・・・・

やがて、音が聞こえなくなり・・・


・・・

・・・・・

・・・・・・・

さようなら・・・ウィリー・ドゥ。
冥福を祈る・・・。

すると・・・ひゅ~~~~っと上から何かが落ちてくる音がしてくる。

パシッ!
ダークフェザーは落ちてきたものを上手くキャッチする。
落ちてきたのはウィリー・ドゥ!?
しかし、一体どうやって・・・!?

ブーメランのようなものなのか・・・?
そこは、謎でたまらなかった。

ウィリー・ドゥの手には何かあった。
小さい、本当に小さい・・・石コロのようなもの。
ダークフェザーの小さい手にぴったしのその石をジロジロと見るダークフェザー。

そして、「むー」っとうなりながら、アミス先生に近づく。

「雲が邪魔でよく見えないわねぇ」
アミス先生はそうとも知らずにまだトンカを探していた。


「ほら、そっちのほうに、島みたいなものが・・・」
っとシャノワールは指差す。

「先生、これ、何かしら?」
「・・・石?」
ダークフェザーが持っていた石みたいなものをアミス先生に渡した。

「えっ?先生も今まで見た事ないわ・・・」
観察と分析しながら叩いてみたり、撫でてみたりする。

「きもちいいにおいがします!」
バウはくんくん・・・と匂いを嗅ぐ。


「きらきらしてて、きれいですね」
ムツキも調べている。

シャノワールも石を持ってみる
「ほんのり、温かいな・・・」


「虫・・・じゃないみたいね」
キサラギは慎重に持って見るが、すぐにみるくに渡した。


「お空に浮いてたね」
みるくは再び先生に渡す。

「ぷるぷるっ!」

「そうねぇ・・珍しいものみただし、先生が調べておくわね」
「ふふっ、もしかしたら空からあなたたちへの送りものなのかも」


「・・・そうだ、僕も、みんなにおくりものがしたいです!」
「ぼくの名前が書いてあったふしぎな木です」
バウは思い出したようにゴソゴソと服の背中あたりから、さっきまで持ってた看板のような木の棒を出す。

「この先、バウに注意!」
・・・と書かれた看板。
え・・・これって・・・。


「まあ!ステキですね!」
ムツキは笑顔で言うが、他の皆は深刻な顔をする。


「バウちゃん、これはどこで見つけてきたの?」
アミス先生は冷静になって質問をした。

「まちに来るとちゅうにはえてたです!」


「ねぇ、シャノワール」
「字が書いてあるということは」
「何か理由があって、人がそこに置いたのよね?」
ダークフェザーは鋭いな。
たしかにこれはアクロポリスシティ周辺に設置されている初心冒険者への注意書きの看板だ。


「その通りだ。勝手に取ってきたのはよくなかったな」
シャノワールは頷く。

「ぼく、また悪いことしたですか?」
くぅ~んっと言いながらしょげるバウ。

「そうねぇ・・・」
「それじゃあ、次の授業は『新しい看板を作って、元の場所に置いてくる』を勉強しましょう!」
アミス先生のこの提案に皆が「楽しそう!」と笑顔になった。


「あ、それと、レーヴェリスさんには、これをあげるです」
バウの手に持っているのはチョコケーキだ。
少し形が崩れかけてるがモンスターのバウの形をしたチョコケーキだ。

「トルテさんといっしょにケーキを作ったとき」
「余った材料で作ったんだよね~!」
っとみるくが説明をする。

なるほど。
そういえば・・・学校へ戻る途中に何かを渡そうとしたがこれだったんだな。
レーヴェリスはお礼を言って受け取った。

そういえば、今日はチョコを貰えるかどうかだったのに。
キサラギに引っ張られ、とんだ1日になってしまったな。
だけど、こうしてちゃんと貰えることが出来たから良しとしよう。

「ふふっよかったわね」
「さあ、そろそろアクロポリスシティへもどりましょう」
っとアミス先生は言うが、ここで1つ思い出したことがあった。

それは、誰もが一瞬で悟った。

(また、キサラギが操縦する!)っと・・・

もちろん、それは的中しキサラギは鼻歌混じりで舵に手を取った。


その数分後、ついにムツキが倒れたことは言うまでもない・・・。

第2章 おしまい


008.jpg





レーヴェリスから読者へ-

第2章の小説版ようやく完成しました(泣
編集さ・・ん、こ、これで勘弁を・・ガクッ(死
えー、今回はバレンタインということで2月14日になる前に書き上げました!
誰かから貰ったものは掛け替えのない大切な物だという思いで書いていました。
いや~本当にアルマイベントの話はイイハナシダナー!

ルートは・・・またしてもネコマタルートの方を書かせてもらいました。
だって、守護魔ルートのほうは何故かおかしな方向にいってしまうような?(笑

そして、最後の部分のキサラギが飛空庭を操縦する場面は
アレは実はオリジナルで書かせてもらいました。
本編だとアミスの飛空庭は、そんなに速くスピードを出せないみたいです。
キサラギはつまらなさそうに言っていたので、もしキサラギに運転させるとどうなるか?
っということで、そこの場面はオリジナルで書かせてもらいました。

それでは、この辺で3月にまた会いましょう~


著者:レーヴェリス
原作:エミル・クロニクル・オンライン「アルマと絆の樹」
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