スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←3月22日の不具合修正 →4月26日のアップデート
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


記事一覧  3kaku_s_L.png 未分類
記事一覧  3kaku_s_L.png アップデート
記事一覧  3kaku_s_L.png 変更
記事一覧  3kaku_s_L.png キャラ紹介ページ
記事一覧  3kaku_s_L.png バナーページ
記事一覧  3kaku_s_L.png 修正
記事一覧  3kaku_s_L.png BGM
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

アルマたちと絆の樹(小説)

アルマたちと絆の樹 第3章~

 ←3月22日の不具合修正 →4月26日のアップデート
第3章 大事な気持ち

3月A




もうじき春がやってくる。
そんな思いが伝わってくる暖かさになってきた3月。
この3月になると彼女たち守護魔は次の守護魔へと交代をするため
私とキサラギは3月の守護魔であるヤヨイに会いに行こうとしていた。

ヤヨイは守護魔の中でも随一の武術の達人である。
そのためか他の守護魔たちと会わずに山へ修行へ、谷へ修行へ
各地を転々としながら修行をしていたため滅多に会うことはなかったのだが、3月の守護魔としての責務を果たすため一時的にここアクロポリスシティへと戻ってくるのだった。


ヤヨイの家は竹林に囲まれた古道家である。
離れには小さな東屋があり、そこにヤヨイは正座をしながら瞑想をしていた。
ピンッと背筋を伸ばし周りの鳥の音、風の音すらも聴こえない。
そういう顔をしながら静かに気を集中していた。

守護魔はヒトの姿形をしているのではなく
空中に浮く、いわば背後霊のような小さな生き物だ。

最初どう声をかければいいか戸惑ったが意外にも早く壊された。
迷いなくキサラギは背後から久しぶりに会ったヤヨイに抱きつき
慌てたヤヨイは何が起きたのか、キサラギが誰なのかわからなかった。

やっと冷静を取り戻したヤヨイにアルマのこととアミス先生のことも説明した。

しばらくヤヨイは考え黙ってしまった。
数分経ち「しばらく待っていてください」と言うと家の中に入って行ってしまった。

さらにしばらく経ち家から出て来たのはヤヨイではなく人間だった。
古風でいて色鮮やかなアジアントップスに黒のボトム、黒いズックそして、手に持っているのが愛用の三節棍。

彼女がヤヨイとわかったのは、むしろそこではなく。
むしろヤヨイのチャームポイントである長い三つ編みに細い楕円形のメガネでわかった。

どうやら彼女もヒトの姿に変えられるみたいだ。

「フシギな卵が持っていた『願いを具現化する力』を使いこなせるようになったのです」
「街中で活動するためには、この姿の方が何かと都合がよいのですが・・・まだ少し この体には違和感がありますね」
「それはともかく、わたしもアミス先生の生徒にしていただくことにしました」
「学問を修め文武両断を極めたいという個人的な欲求もあるのですが・・・」
「人の心を持つモンスター・・・アルマたちのことを守りたいのです」
「人と同じ心を持つ彼女たちが人の社会で生きていけるよう正しく導いてあげたいのですが・・・」
「よろしければアミス先生の学校まで案内をお願いしてもいいでしょうか?」

もちろん私とキサラギは了承して、アミス先生の学校へと向かった。


街へと入るとヤヨイは立ち止まり周りの繁華街へと目を向けていた。
「勉学に励む皆さんに差し入れをしたいのです」
「なので、学校へ行く前に少しだけ買い物に付き合っていただけませんか?」

そう言われ学校へと行く前に買い物へといくことになった。

2月にバウを追いかけるために走り回ってた、あのアップタウンの南側である商業区へと来た。
この商業区で売られるものは衣類だけではなく、飯店や雑貨屋、武具に古美術品などが露店を出し
多くの人で賑わいを見せていた。

っと、ここで気づいたが、いつの間にかキサラギがいなくなっていた。
ヤヨイに訊くと先に学校へと行ってしまったらしい。
どうしたのだろうか?

多くの露店を素通りしてヤヨイが立ち止まった店は精肉店「筋肉王」という文字が看板に書かれていた。
何とも近寄りがたい店名の中へと入っていくヤヨイ。
ちょっとちょっと大丈夫なのか、この店・・・
そう思いながら私も入っていく。

中にはビーフ、ポーク、サーロインにチキンがずらりと並ぶ。
店の奥から声がしてくる・・・。
ヤヨイは「ミカさーん!」と声をあげて店主を呼んでいた。
よかった、どうやら名前からして女性のようだ・・・。

奥から「はぁ~い!」と言いながらこちらへやってくる声が・・・

ぎゃあああああああああ(私の心の叫び)

ズシンズシンと足音をたてながら現れたのは2メートル半ぐらいある大きな男だった。
ミカルド(ハートマーク)のエプロンをつけた男だ。
それだけで驚くのは、まだ早いほうだった。

女性の名前に声だったはず!
なのに何故、男が・・・
「うふふっ、あぁらま!ヤヨイちゃんじゃない!お・ひ・さ・し・ぶ・り(ウィンク)」

「はい。ミカさんもお元気そうで何よりです」

どうやら名前は「ミカルド」のようだ。
女のような名前で声で・・・紛らわしいわ!
しかも、どうやらこの人は属的にいうと「オネエ」らしい・・・

私は吐き気がしてきたので外で待っていた。
そんな気も知らずヤヨイはミカルドさん(通称「ミカさん」)と話を続けていた。

数十分後・・・


「お待たせしましたレーヴェリスさん」

「あぁうん。そうか」
軽く頷き1分でも早くここを離れたかった私はヤヨイを引っ張り足早に商業区を出た。

「ミカさんとは廃炭鉱で修行のときに出会いまして、その時に『最強の魔獣』を素手で一撃で倒したんですよ!」

最強の魔獣というのは廃炭鉱に潜む熊たちのボスのことである。
その名のとおり魔獣の中では、最強を意味する大熊だ。
それを一撃で倒すのであれば、ヤヨイと互角か、それ以上か・・・

それからもヤヨイが語るミカさんの武勇伝は続く。

「そもそもミカさんは・・・」
「今までミカさんに挑戦した数しれず・・・」

長くなるので以下略としまして。
そんな話をしながら、ようやくアミス先生の学校へと着いたのだった。

「あんたね!そんなことじゃ・・・・」

「えっと・・・その・・・でも・・・(おろおろ)」
学校の傍で言い合う2人の少女がいた。
姉妹ケンカだろうか?
ヤヨイは気づかずに学校がある飛空庭へとロープを伝って上がっていった。
私が割って入るのも余計なお世話だと思い学校へと入った。






3月B


「皆さん!」
「差し入れ・・・を・・・」
景気よく笑顔で大声で入ってきたヤヨイが思わず声を止めてしまった。
それはどうしてかっというと・・・


「あなた、バカなの?」

「わ、わぅわぅ~!」

「人間のときはふたつの足で歩かないとだめなのよ?」
「こんな風に、踏まれちゃうんだから!」
「わかった?」

「ダークフェザーちゃん くすぐったいです!」

「もしも、おとなに踏まれたら、とっても痛いのよ?」
「そうよね、ウィリー・ドゥ?」

この学校に新しく生徒して入った2人のアルマ。
ダークフェザーとバウ。
どうやらバウが四つん這いで(犬のように)歩いていたのか、それを見ていたダークフェザーはバウを足で踏んで諭していた。
怒りや悲しみなどっといった感情はない、むしろ両者とも少し嬉しそうに言う。
バウは少し気持ちよさそうだった。

「ごめんなさい!」
「ぼくわかりました!」
「ぼくはばかなバウでした!」

少し笑い涙を出しながらバウはあやまる。

「・・・ふぅ、もうしないのよ?」

「わぅわぅ~・・・」
「でもグリグリは楽しかったです」
「これもひとつの『あい』のかたちです?」

「ふふっ、そうねぇ」
「する方が愛をこめてて、される方も愛を感じたなら、それはきっと愛なのよ」
「どっちかの一方通行じゃダメだけど、ね?」
そばにいたのは先ほどいなくなったキサラギだった。

「守護魔キサラギ・・・君は一体 何を教えてるんですか」
ヤヨイはあきれた顔で見ていた。

「『愛のかたちについて』に決まってるでしょ?人の話を聞いてなかったの?」
何を当たり前なっ的に言うキサラギ。

「バウさんがしゃがんだときに人にぶつかりそうになって」
「それをダークフェザーさんが心配していたのですよ」
1月の守護魔・ムツキも出てきた。

「自分はバウの先輩だからとはりきっているのだな」
 
「ダークフェザーちゃんはバウちゃんのことが大好きなんだよね」
シャノワールにみるく。
この2人は離れ離れになってしまった姉妹を探すため、この学校の生徒となって
姉妹たちを日夜、探し続けていた。


「そういうわけじゃ・・・むー・・・」
ダークフェザーは頬を膨らましながらも少し顔を赤くしていた。


「ダークフェザーちゃんはやさしいって、ぼくしってます!ん・・・」
「・・・くんくん、ヤヨイさんからいい匂いがするです・・・?」
バウがヤヨイの持ってる紙袋の匂いを嗅いでいた。


「あ・・はい。学業に勤しむ皆さんに手作り肉まんの差し入れです」
「さあ、あたたかいうちに召し上がって下さい!」
紙袋から取り出したのは湯気がたつほかほかの肉まん。
ヤヨイは1個1個手渡しで一人づつ渡していく。
「あつあつですから、やけどしないよう気をつけて召し上がってください」

肉屋のミカさんから買ったのか作ってもらったのかわからないが
その時に肉まんを手に入れたのは確かだ。
だとすると、これはミカさんの手作りか・・・。


「ありがとう」
「さあ、お茶も入ったわ」
「みんなでいただきましょう」
アミス先生も1人1人にお茶を持っていき渡す。

「はい、お茶もどうぞ、みんなの分もあるわね?」

「それでは、いただきます!」

「わぅわぅ!おいしいです!(ばくばくばく)」

「バウさん!ちゃんと両手で持って、よくかんで食べてください!」

「・・・うん、おいしい。ヤヨイもう1つ頂戴」
「ウィリー・ドゥも食べたいって言ってるの」

「あ・・・すみません」
「ウィリー・ドゥさんの分は用意していなくて・・・」

ちょっと残念そうな顔をするダークフェザー。

「あ、そうでしたアミス先生。実はわたしもアミス先生の生徒にしていただきたく・・・」

「そうだったのね。ええ、もちろん歓迎よ。ヤヨイちゃんね」
「よろしくね」
みんなも肉まんを食べながら「よろしく」と言い
ヤヨイも応えた。
その時に気づいてしまったヤヨイ。

「あれ?ムツキさんとキサラギさんは召し上がらないのですか?」

「申し訳ありません、おつとめの都合で肉が食べられないのです・・・」
たしかに巫女や僧侶は動物の命を奪って得た『肉』を食べないらしい。
でも、キサラギは・・・?

「私もパス。食べた分のお肉がお腹についちゃそうだもの」
「さっきも、ついついお腹が空いて・・・な、なんでもない!」
なるほど、先ほど商業区から逃げるようにいなくなったのは食べ物に目移りしそうになったからか。


「・・・。次は2人に食べてもらえるもの作ります」
「次こそは・・・っ!」
ヤヨイは拳をグッと握り締め「この屈辱忘れるべからず」のような感じで宣誓した。
次はギョーザか、それとも炒飯かな・・・


「あつっ、あつっ!・・・」
「あっ(ぽろっ)」
「あああああ!!落としちゃった・・・!」
みるくが落とした肉まんは無残にも教室に落ちてしまった。

アミス先生は「残念だけど捨てるしかないわね・・・」と言って捨ててしまった。

「ほら、私のを半分あげよう」
「ふぅ、ふぅ・・・熱いから気をつけて」

「わぁ・・・ありがとう、おねえさん!」
シャノワールはみるくに肉まんを半分に千切ってみるくに渡した。

「・・・半分こすればいいのね」
「ほら、ウィリー・ドゥ。おいしい?(ぐりぐり)」
それを見ていたダークフェザーはウィリー・ドゥに自分の肉まんの半分を口に無理やり入れようとした。
可愛そうに・・・そのせいかウィリー・ドゥの口のまわりは汚れていく・・・

「ウィリー・ドゥのお口がべたべたになっちゃたわ!」
「むー!」
ウィリー・ドゥの口の周りを自分の服で拭き取り綺麗にするダークフェザー。


「肉まん、とってもおいしかったです」
「ぼく、おなかいっぱいです!」

「ああっ、もしかして私の分まで・・・」
どうやらヤヨイの分だけではなく紙袋に入っていた肉まんをバウが全部食べてしまったようだ。


「ちょっとお邪魔するわ!」
甲高い声が教室内に響く。

その声にびっくりする生徒達とアミス先生。
その声の主は先ほど学校の傍にいた言い争う2人の姉妹の1人だった。






ピンク色のツインテールに茜色の瞳に可愛らしいピンクのスモックを着ている少女。
ずかずかと教室へと入り叫び声で
「あたしは『アカリ』!」
「あやしいものじゃないわ!」
「この飛空庭に・・・」
と言い私たちをジロジロと見る。

「・・・って、ええっ!?」
いきなり驚くアカリと名乗る少女。
いや、びっくりしたのはこっちだから。


「あか・・・り?」
「アカリか!」
「お前のシャノワールお姉さんだ、我が妹よ!」

「えっと、えっと、みるくだよ」
「あかね・・・じゃなくて、アカリねえさん!」
感動の姉妹再会というやつか~。

「シャノワール、みるく姉さん!」

ん・・・?

「逆だ、あか・・り!」
「私がシャノワールで、こっちがく・・・みるくだ」
まるで初対面のように、そして焦るシャノワール。

「そうそう、そうだったわね!」
訂正するアカリ。

「アカリちゃんは、シャノワールちゃんたちの姉妹なのね?」
「つもる話もあるでしょうし、お茶もいれてあげるわね」
アミス先生は再びお茶を入れるため給水室へと向かった。

「他のみんなは!?」

「いや・・・まだ私たちだけだ」

「そっか・・・でも、会えて良かった!」
「こんなとこで2人に会えるなんて!」

だが、それよりも不思議な会話をする2人。
そう、まるで・・・

「アカリさんはご家族がここにいるのをご存知なかったのですか?」
「なぜここにいらしたのです?」
ヤヨイは冷静にシャノワールとアカリを見る。
そうなのだ、知っていると分かっててここへ来たのかと思ったが・・・

「あっ忘れてた!シャボタン!」
「おいで!」

「えっと・・・おじゃまします」
「みなさん、はじめまして。シャボタンです」
先ほどアカリと言い争っていたもう1人のほうの少女。

緑色のサイドテールのロングヘア。
花の模様をしたワンピースに肩掛けカバンを背負っている。
そして、どこか普通の子供とは言えない雰囲気を持つ幼い少女だ。

「この子はあたしの弟子のシャボタンよ!」
「よくわからないけど、この子がこの飛空庭に上がりたそうだったから連れてきたの」
姉妹かと思っていたが、どうやら師弟関係だったようだ。

「それで、シャボタン。ここに何があるの?」

「あの・・・わたしは、よばれたの」

「・・・ってことらしいわ」
「シャボタンを呼んだのはだれ?」
再びジロジロと私たちを見るアカリ。
むしろ、初対面だ、といわんばかりに私たちはシャボタンを見ていた。


「私たちはただ、ここで食事をしていたのですが・・・」
ヤヨイは少し間を待って喋りだす。

「あ、シャボタン、お腹が空いていたのね」
「だったら、最初からそう言えばいいのに!」
いやいや、さっき『呼ばれた』と言ったのは・・・?

「えっと・・・でも・・・」
おろおろとしながらアカリを見ているシャボタン。

「!バウ食べている場合じゃないわ!」
「この子、わたしたちと同じ・・・!」

「わぅわぅ!」
ダークフェザーとバウは何かに気づいたようだ。
っとするとここで思い浮かぶのは『アルマ』という単語だけだ。

「あ・・・!わたしとは違うけど、同じ!」
「わたしだけじゃなかったんだ!」
そういうとシャボタンの体が光だし南ウテナ開拓村で見るサボテンのモンスターになった。

やはりシャボタンもアルマだった。
しかしシャボタンもここに同じ仲間がいることは知らなかったようだ。
っとするとシャボタンを呼んだ人物は一体・・・?


「・・・♪」

「バゥ!ワゥ!」
ダークフェザーとバウも同じように本当の姿になりシャボタンに見せる。

「しゃ、シャボタンがモンスターに!?」
「どうなってるのこれ!?」
アカリは驚愕する。
っというよりも師弟なのに知らなかったようだ。

「落ち着け!知らなかったのか、アカリ?」

「だ、だって、さっき弟子にしたばっかで・・・!」
シャノワールはアカリの肩を抑えて落ち着かせるように言う。

「確かに彼女達はモンスターですが人と同じ心を持っています!」

「でも、アミス先生にはひみつなの!」
ムツキとみるくも急いで付け加えてアカリに説明をする。

それを見たアカリは何か訳ありだとわかり、落ち着いた。


「はい、お茶が上がったわよ」
「・・・あら?あなたはだぁれ?」
そこへちょうど、アミス先生が戻ってきた。
慌ててヒトの姿になるアルマの3人。

「あの・・・わたし、シャボタン、っていいます」

「アミス先生、シャボタンも生徒にしてあげてください」
ヤヨイは突如、提案を出す。

「ちょっと、勝手にあたしの弟子を!」
アカリはそれを止めようとする。

「アカリ、あとで説明する」
シャノワールはアカリにヒソヒソと話はじめた。

「わ、わかったわ」
アカリも応えてヒソヒソという。

「私は大歓迎よ!よろしくね、シャボタンちゃん」

「えっ、あ、あの・・・はい」
「頭に、あの・・・」
シャボタンが一番気になったのはアミス先生の頭にのっているプルルこと『ぷるぷる』だった。

「ぷるぷるっ」

「あ、この子は『ぷるぷる』」
「私の友達なの」

「ぷるっ!」
今日もクネクネと動くぷるぷる。
いや、何かモソモソと動いている?

すると・・・ぷるぷるは、きらきら光る小さな石のようなものを差し出した。






「あ、それは!空に浮いてた・・・!」

「いい匂いの、そらのおくりものです!」
ダークフェザーは石を指差し、バウは匂いを嗅ぐ。

「・・・・!それ・・・!その『種』・・・!」
シャボタンも驚いて石(種)に指さす。

「あなたもこれに呼ばれてきたのね?」

「そらのおくりものは『たね』です?」

「わたしは、その『種』が欲しいの」
「種をわたしにください」
ダークフェザーとバウに懇願するシャボタン。

「これは、私とウィリー・ドゥが最初に見つけたの」
「あなたには、あげないわ!」
反論するダークフェザー。

「ダークフェザーちゃん、そらのおくりもののたねは、ぼくのおはなが見つけたです!」
今度はダークフェザーとバウが取り合いになる。

「あの・・・(おろおろ)」
オロオロとするシャボタン。

「みんな、ちょっと落ち着いて」
「仲良くしないと、先生困っちゃうな!」
バウとダークフェザーを抑えるアミス先生。

「シャボタン。私はヤヨイといいます」
「君にはこれが『種』だとわかったんですよね?」
「どうしてです?」

「あ、あの・・・わたし、木とか草花の声がわかるんです」
「この種はずっと、『芽を出したい』って言ってて・・・」
「このままだと芽が出せないって困ってて・・・」

「なるほど、春のこの陽気ですからね」
「種が芽吹きたい気持ちもわかります」
「植木鉢や土を用意すれば大丈夫ですか?」

「あっ・・・違うんです!」

「この種は、ちょっと特別な子で芽を出すためには、春の木漏れ日みたいなあったかいお水が必要なんです」

あったかい水?『お湯』のことだろうか?

「ねぇ、だったら『あったかい水』を持ってきた子が種を自分のものにできる、っていうのはどう?」
キサラギは1つの提案を出す。

「えっ・・・(おろおろ)」
シャボタンどうしたのだろうか?すごいびっくりしている。

「キサラギさん、こういうことは競争するのではなく」
「みんなで協力して・・・」
ムツキは協力を進める。

「いや、キサラギの意見も一理ある」
「ダークフェザー、バウ、それなら種が誰のものになっても納得できるだろう?」
シャノワールは賛成のようだ。

「ええ、種が欲しがってるものを手に入れた人が、いちばん種を上手に育てられるはずだもの」

「ぼくがいちばん早く、あったかい水をみつけるです!」

「本人たちに落としどころ見つけさせるっということですね」
「確かに、遺恨の残らないやり方です」
ダークフェザーもバウもヤヨイも賛成のようだ。

「もちろん協力もありよ。みるくちゃんとは私と一緒にバウちゃんを手伝いましょ」
キサラギはみるくを無理やり引っ張りバウの味方につかせようとした。

「・・っえ?!」
「ちょっと何なの あんた?」
「みるくとシャノワール姉さんは、あたしとシャボタンの味方に決まってるでしょ!?」
アカリはみるくを反対側から引っ張る。

っというか、みるくが両腕を2人に引っ張られ痛そうだ・・・

「シャノワール・・・私の味方してくれないの?」
ダークフェザーは悲しそうにシャノワールを見る。

「ん・・・そうだな・・・みるく、お前はどうしたい?」

やっと、みるくを放すアカリとキサラギ。
「みるくは・・・うん、みるくはバウちゃんとキサラギさんをお手伝いする!」
「だって、これは皆で仲良くするためにやるんだよね?」

「わぁーい!みるくちゃん、ありがとう!」
バウは嬉しさのあまり、みるくに抱きつく。

「くる・・・みるく」
「あなた、いつのまに・・・」
少しショックをうけるアカリ。

「みるくはここに来てから日に日にしっかりしてきてる」
「アカリ、姉としては誇らしいだろう?」

「そ、そうね」と言い従わなくなったみるくに少し寂しそうに言うアカリ。

「ムツキ、わたしたちはダークフェザーの手助けをしよう」
「競争を通じてこそ学べることもたくさんあるだろう」

「シャノワールさん・・・わかりました」
「皆様、正々堂々勝負なのです!」
ムツキもようやく同意してくれた。

「ありがとう、シャノワール、ムツキ」
「私、絶対負けないわ」
ダークフェザーは意気込む。

3月C


「ふん、上等じゃない!あたしとシャボタンの師弟コンビの実力見せてあげるわっ!」

「アカリおねーちゃん、わたしは・・・」

シャボタンは何か言いたいことがあるけど、言い出せないようだ。
そして、私を見る。

これは・・・私に何かを訴えている?
しかし一体何を・・・?

「レーヴェリスちゃんとヤヨイちゃんは」
「シャボタンちゃんの味方してあげてね?」
アミス先生はやさしく言う。

「はぁ!?別にあたしたちは2人で!」
アカリは反発する。

「君たち2人はここに来たばかりで不利になってしまいます」
「公平を期すためにも私とレーヴェリスさんが君たちに力を貸しましょう!」
ヤヨイの言うことも一理あるが流石に4人もいらないと思うが・・・

「・・・まぁ、あなたたちがどうしても、っと言うならあたしたちのチームに入れてあげてもいいけど?」
「足手まといにはならないでよねっ!」
アカリはツンッとして言うが悪い子ではないようだ、たぶん。

「あの・・・ありがとうございます!」
アカリの代わりにシャボタンが礼を言っているように感じた。
先ほど訴えるように私を見つめていたのは助けて欲しかったのだろうか?

「さて、『あったかい水』といえば、やはり温泉でしょう」
「ECOタウンにある、ECO温泉にいきましょう」

「どこだか知らないけど、わざわざ遠くまで行かなくたって、温泉の水ならすぐそこで手にはいるわ!」
「アップタウンにいる天戒のおじーちゃんにもらえばいいのよ!」
ヤヨイはECO温泉を、アカリは天戒のおじいさんを、違う意見を出した。


「天戒師が配っている『飲める温泉』のことですか?」
「あの水は確か、冒険者のために成分を調整されていて効能が少々異なると聞いた事があります」
「ECO温泉は決して遠くありませんよ」
「アップタウンのタイニーに頼んで少々走ればたどりつけますし・・・」
「それに、今の季節であれば天駆ける龍を呼んで飛んでいくこともできます!」
「私と同じ気を練ることが出来る守護魔に協力をしてもらうか」
「春の気を蓄えた『花』をいくつか用意する必要がありますが」

「だから、そんな手間ひまかけなくてもいいんだってば!」
「あたしは知ってるのよ」
「天戒おじーちゃんが大事にしている、特別製の『飲める温泉水』のことを!」

「直接、温泉から汲んだ水のほうが、効き目があると思いますよね?」
ヤヨイはシャボタンに聞く。

「シャボタン!遠くまで行ってる間に他のチームに負けたくないでしょ?!」
アカリもシャボタンに聞く、否、師匠命令のように言う。

「あの・・・、わたしは・・・」
再びシャボタンはオロオロしながら私を見る。

ECO温泉へ行くか天戒おじいさんに会いに行くか。
どっちにすればいいか決めて欲しいような目で見ている。

ふぅむ・・・さて、どちらを選ぶか・・・









結局のところ、私たちヤヨイ、レーヴェリス、シャボタン、アカリの4人はすぐ近くで修行をしている天戒というおじいさんから「あったかい水」を貰うことになった。

『天戒』または天戒師範と言われるべき人物は、このアクロポリスシティで武術において右に出るものはそうそういないそうだ。
闘技大会も常に常勝し続けたという伝説もあるぐらいだ。

しかし、寄る年波には勝てず、数年前に引退を決意し、それからというもの弟子を多く取るものの
天戒さんの修行は厳しく弟子が100人いるとすれば残るのは5本の指に入るくらいの数だと聞く。
さらに、ヤヨイからあとで聞いた話だが、先ほどの精肉店の店主ミカルドさんも天戒さんの弟子である。

アップタウン居住区のほうのどこかしかわからないが、アカリはなぜか詳しく知っているようだ。
「いた!」というアカリの声がしたので3人はそっちへ向かった。

ちょうど、その天戒さんとその自称、弟子である孫の一吾さんが修行をしていた。

どうやら一吾さんに腕立てふせ100回をやらさられていた。
彼の孫の一吾さんも武術の資質があり、跡継ぎを一吾さんに任せるみたいだそうだ。

「師匠!も、もう無理ッス!!」
そんなことにも耳も当てず天戒さんは喝を入れてる・・・

何か声かけづらいな・・・

「天戒おじーちゃん!『飲める温泉』ちょうだい?」
そんなの関係なしに声をかけたアカリ!

「かーつっっつ!!」
「挨拶もすっ飛ばしていきなりおねだりとは何事じゃ!!」
あまりの天戒さんの大声でシャボタンは一瞬、ビクッとしていた。

「こ、こんにちは、おじーちゃん」
「私、シャボタンです」
それでも健気に挨拶をするシャボタン。
意外と芯は強いようだ。

(ペコリ)お辞儀をする。

「うむ!こんにちは、シャボタン」
「それに、ヤヨイ、レーヴェリスじゃな?」

「お久しぶりです、天戒師」
手の平を合わせ軽くお辞儀をするヤヨイ。

「オッス!」
一吾さんは気さくなほうだ。

「いやぁ、シャボたんは可愛い上にしっかりしてるのぅ(でれでれ)」
シャボタンの頭をなでながらデレデレする天戒さん。

「そのシャボタンが、『飲める温泉』を欲しがってるんだけど?」
どうやらアカリのことは知っているようだ。

「ふむ・・・?」
「しかし、『飲める温泉』は師匠として弟子に育てた者に授けるという決まりなのじゃ」

「それは、ふつーの『飲める温泉』の話でしょ?」
「・・・持ってるでしょ、特別なやつ!」
さらに手の平を突き出すアカリ。

「おっ、お主・・・!?」
「なぜ、お主がワシのトップシークレットを!?」

「じっちゃ・・・師匠!」
「時々、普通の「飲める温泉」と間違って渡そうになって大騒ぎするから」
「結構な人が知ってるぞっ!」
それを聞いた天戒さんは少し黙ってしまった。

・・・
・・・・・・

「フォフォ・・・」
「確かにワシは、特別な「飲める温泉」を持っておる!」
開き直ったよ、このじいさん。

「冬の泉に鳥を導いて春をもたらすという美しい仙女が浴する、この世ならぬ桃源郷の温泉で仙女が直接瓶詰めしたという」
「それそれはありがた~い秘蔵の『飲める温泉』での」
「この水が欲しいというのならワシのささやかな願いをかなえてくんかのう?」

「いいわ!なんでも言ってみなさい!」

「この水は、一口飲むたび寿命が百日延びるといわれておる」
「じゃから、ワシが青春のあの頃に返った気分になるようなものを見せて欲しいのじゃ」

「えっ?」
「天戒おじーちゃんって、生まれたときからおじーちゃんだったんじゃないの?」
それはナイナイ・・・

「天戒師、具体的には、どのようなものをお見せすればよろしいのです?」

「うむ、それはじゃな・・・セクスィ~美女じゃ!」
ここにいた全員がおそらく凍りついただろうし
もしかしたら空耳だった、と受け止めるべきか。


「・・・・・失礼、幻聴が聴こえたようで・・・」
「何をみたい、と?」
ヤヨイはもう1度たずねる。
幻聴であって欲しい、その願いを込めながら。

「ええい、何度も言わせる出ない!セクスィ~な美女がみたいのじゃよ!」

ヤヨイは愕然とする。
ひざをついて重く沈んでいく・・・

「いや、決して不潔な欲望などではなくて、の?」
「若い活力と躍動感に満ちた、はちきれんばかりの美を目にすることで遠い青春の喜びを思い出したい、ただそれだけの清く純粋な願いなのじゃ!」

「師匠!オレには師匠の顔が清くも純粋でもないように見えるぞっ!」
良いツッコミだ!

「な~んだ!そんなの簡単じゃない!」
「うっふ~ん♪」
「・・・どう?」


「む!むむむ!」
「フォフォフォ、ダメじゃな。色気が全然足りん!」

「なっ、なにが足りないですってぇ!?」
今にも天戒師に殴りかかりそうなアカリを静止させるシャボタン。

「もっとこう、ぼ~ん、きゅっ、ぼん!」
「という感じのセクスィ~ギャルでなければのぅ!」
「ワシの秘蔵の飲める温泉が欲しければ、ワシの心をヒートアップさせてみるのじゃ!」
どんだけだよ・・じいさん。


「むっかー!」
「わかったわ!」
「目にモノみせてやるから、しばらく待ってなさいよ!」
「みんな、ちょっとこっち来て!」
そう言って一時退散して作戦を練ることに。

「・・・・ヤヨイ」
「肉まん、まだある?さっきみんなで食べてたでしょ?」
「2個ほど欲しいんだけど!」

「いえ・・・余ってた分も、バウがみんな食べてしまいましたが・・・」
「材料さえあれば私が作ってきますけど」
やはり先ほどのお店で肉まんを作っていたのはヤヨイだったのか。
まぁそれはそれで良かった・・・。

数分後・・・

ヤヨイが先ほどのお店へ行き新しく作り直してきたようだ。
紙袋にはアカリが言っていた2個分。

アカリが肉まんを2個を両手で持ってジッーと見ている。

「なるほど、おいしい食事でもてなして、水を譲ってもらうのですね」
「しかも、一吾さんの分もちゃんと用意しよう、と・・・」
ヤヨイは納得した。


「この肉まんをここに・・・」
アカリは持っていた肉まんを自分の胸にぎゅぅぎゅぅに押し詰めた。
っというか、あの熱々肉まんを胸に・・・熱くないのか・・・。

「えっ・・・!?」
「な、何を・・・!?」
ヤヨイは驚きのあまり硬直してしまったが、そのことよりも準備万端!っと言いながら
アカリは再び天戒師へと走って行った。

3月D


「うっふ~ん☆いかがかしら?」

「ふぉぉぉぉっ!ビビッときたぁあ!」
「ほんの少し見ない間に、立派に成長したのぅ!」
いやいや、どう考えてもおかしいでしょうよ、じいさん。

「ワシの胸もあの頃のように熱くたぎっておるぞ!」
「おお!秘蔵の飲める温泉も、すっかり良い湯加減にあったまっとるわい!」
「じゃが、これをやるには、もうちょっとサービスをじゃな・・・?」

「えーっ!?約束が違うわ!」

「・・・やはり、ECO温泉に行ったほうがよかったようですね・・・」
遥か後のほうでブツブツとヤヨイが言っていた。

そこに、ふとシャボタンを見ると、ちょうど目があった。
こ、これは再び何かを私に訴えている!
っく・・・だが一体何を・・・。
今こそ解き放て!我が心眼!!!


っとシャボタンは小さく頷いた。


「あの・・・!」
「お・・・おじーちゃん!お水をくださいっ!」
「どうしても、そのお水が必要な子がいるんです」
「お願いしますっ!」
って、あら、心眼する前に言う決心がついてしまったようだ。

「・・・・・・・・・・・・」
「うむ、ワシはお主自分でそう言ってくれるのをまっておったのじゃよ」
「シャボたん」
「お主は優しい子じゃ」
「ワシの望みや友達の意志を尊重して、自分の気持ちを言えずにいたのじゃな」
「・・・じゃがのうぅ」
「自分の気持ちを素直に言うのも大事なことなのじゃ」
「気持ちを伝えなかったことは、無い方がいいからのぅ」
「さあ、持ってお行き」
どうやら天戒さんはすべてお見通しだったようだ。
っというか、そのために駄々こねていたのか、このじいさんは!


「ありがとうございます。おじーちゃん!」
シャボタンはペコリと再び頭を下げる。

「じっちゃ・・・師匠はちゃんと考えていたんだな!」
「オレ、師匠が本気でスケベじじいになったと思ってたぞ!」
一吾さんもそう思っていたか、いや、むしろ
そう考えてしまうだろう。

「かっ、かーつっっっ!!!そ、そんなことないわい!」

「アカリちゃん」
「弟子の望みのためにワシの無理難題に応えたお主の心意気もまた見事じゃった」
「じゃが、弟子を信じ、まず弟子にやらせてみるのも、師匠の大事な勤めじゃよ」

「天戒おじーちゃん・・・」
「ふ~ん、シャボタンのセクシーなとこが見たかったのね?」

「ゴホッゴホッ!」
「おっ、お主はっ、ワシの話をっ・・・!」

「あははっ、冗談よ!よくやったわね、シャボタン」
「さあ、戻るわよ!」

「さよなら、おじーちゃん!さよなら一吾さん!」

「・・・では、失礼します」
私も別れを言って急いでアミス先生の教室へと戻った。






戻って来た時には、既にダークフェザーチームもバウチームも戻ってきていた。
これは手遅れだったかな・・と思いきや。
「私たちは温かい水を手に入れて来ましたが・・・」

「姉さんたちのほうはどうだったの?」

「むー・・・もう少し、コッコーの羽が集まれば・・・」
ダークフェザーは占いでお湯の場所を探し当てようとしたが羽が思うように集まらず
諦めて戻ってきたようだ。

「みるくたちはホワイトデーのお菓子作りを手伝ったんだよね!」

「マシュマロはおいしかったです」
「でも、あたたかい水は見つからなかったです・・・」

「寄り道したのが失敗だったわね・・・ごめんね、バウちゃん」
キサラギの話を聞くとキサラギの恋の反応でホワイトデーのお返しに困っていた少年の手助けをするため
マシュマロ作りをしていたようだ。
その為、お湯を持ってくることを忘れていたようで敢え無く戻ってきたようだ。

「ってことは勝負はあたしたちの勝ち!」
「種はシャボタンのものってことでいいわよね!」
アカリは鼻で笑いダークフェザーに種を貰おうと手を差し出す。

「仕方ないわ。競争ってそういうものだもの」
「それに、シャボタンには、種の声がわかるのよね?」
「だから・・・大事にしてね」

「ダークフェザーちゃんとぼくは、種がこまっているのがわからなかったです・・・」
「でも、シャボちゃんなら、種のきもちがわかるです!」
「だから、種はシャボちゃんにあげるです!」

「・・・ちがう、ちがうの」
「わたしは・・・わたしが本当に言いたかったことは・・・っ!」
シャボタンは焦りながらも一旦落ち着いて話す。

「ダークフェザーちゃん、バウちゃん、あのね」
「わたしは、この種をみんなで一緒に育てたいの・・・」
「一人じゃなくてみんなで仲良く育てたらきっとステキだから・・・だから・・・」
「・・・ずっとそう言いたかったの」
「・・・だめかなぁ・・・?」

「・・・言いに決まってるわ!そうよね、バウ?」

「ぼくもいいです!みんなの種です!」
どうやらシャボタンが言いたかったことは、そういうことらしい。
みんなが納得のいく方法があったが、みんなの意見を尊重して大事なことを言えずに黙っていたのだろう。

「・・・みんなが納得できて」
「みんなが幸せになれる方法を見つけることが出来たみたいね」
「それなら、その種は、この飛空庭に植えたらどうかしら?」

みんなアミス先生の意見に賛成してくれた。
アミス先生は庭の隅から隅まで見渡し植える場所を探してくれている。

「どの辺りがいいかしら・・・」

「ぷるっぷるぷるっ!」

「ぷるぷるも考えてくれるの?こっちの方?」


「さすが、あたしの弟子ね!」
「でも、それならそうと最初からそう言えば良かったのに」

「わたし、みんなと仲良くするには、みんなの言うことを聞いて、みんなの言うとおりにしなきゃいけないって思ってたの」
「でも黙ってたら、種のことで競争することになって」
「もう、みんなと仲良くなれないかな~って・・・」
「わたし、がっかりしたような寂しい気持ちになってた・・・」
「でもでも!」
「違うんだよね?お水を探しているときにやっと気づけたの」
「自分の気持ちをちゃんと言うことが大事なんだって」
「ちゃんと言葉にすれば相手にも気持ちが伝わるから!」
「そうすれば・・・」
「競争したあとでも、みんなと仲良くなれる」
「そう、だよね?」

「百の言葉より拳を交わすことで分かり合えることもありますよ!」
ヤヨイ、それは格闘家精神論だろうか・・・

「ここにいるみんなは私たちにいろんなことを教えてくれるし」
「いろんなことを助けてくれるの」
「だからシャボタンも、一緒に勉強しましょ?」
ダークフェザーは、そっとシャボタンに手を差し伸べた。

「うん、わたしはみんなと一緒にお勉強したい!」
「わたしは人の言葉がわかるようになって、人の姿になれるようになって・・・」
「他のしゃぼたんと違ちゃって」
「ひとりぼっちで、さみしくて、こわくって・・・」
シャボタンはダークフェザーの手をぎゅっと握る。

「・・・私も覚えてるわ。私が『私』になったばかりの頃のこと」
「そんなときに種の声が聞こえて・・・その種を見つけたら」
「わたしはさみしくなくなるかもってそう思えたの」

「ぼくもそうです。うれしい匂いをさがしたです!」

「この街にきて、アカリおねーちゃんが弟子にしてくれて、種の声がするこの場所に連れてきてくれて・・・」
「そしたら種だけじゃなくて」
「わたしと同じ、あなたたちがいた!」
「とっても、うれしかったの!」
「ダークフェザーちゃん、バウちゃん」
「わたしと、なかよしのお友達になってくれないかな・・・?」

「え?私、あなたとはもうお友達だって思ってたわ」
「そうね、もっともっと仲良くしましょ!」
「ウィリー・ドゥもお友達よ!」

「ぼくも、シャボちゃんが大好きです!」

「ありがとう・・・!わたしも、大好き!」
「みんなのことが大好きだよっ!」
3人で手を握りより一層友情を深めたようだ。

そんな3人を見ていたアカリは
「シャボタン・・・」
「いつのまにか、自分の気持ちをちゃんと言えるようになったんじゃない」
「いいわ!あたしもここで勉強してあげる」

「わーい!アカリおねえさんも一緒で嬉しいね!」
みるくが喜ぶ。




7(終節)

「ぷるっぷるぷるっ!」

「そうね、ここにしましょう」
「ダークフェザーちゃん、バウちゃん、シャボタンちゃん」
「3人で、ここに種を植えてくれる?」
どうやら良い場所を見つけたようだ。
飛空庭の真ん中、一番太陽の光が当たる場所だ。

「は~い!」

「アミス先生。あたしたちは手伝わなくてもいいの?」

「ありがとう、アカリちゃん」
「でも今回は、あの子たちだけでやらせてあげたいの」

「べ、別にあたしはどっちでもいいんだけど・・・」

シャボタンは持っていたミニスコップでザクザクと土をかき出し穴を掘る。
「まず、浅く穴を掘って・・・」

「ぼく、穴を掘るのとくいです」
「うんしょ、うんしょ・・・!」
バウは手で掘っている。
しかも、もの凄い速さで・・・

「ありがとう!そうしたら、あったかいお水をこうして・・・」
穴にお湯をかけて土を湿らす。

「ダークフェザーちゃん、この水床の真ん中に種を埋めて?」

「この辺りね?」
種を植えて再び土をかける。

「あっ!たねが、よろこんだです?」

「私にも、わかったわ、種の声、大きくなってる

「みんなで力を合わせて、一緒に育てれば、きっと大きな樹になる・・・!」

「大きな樹になれば、私たちと同じ子達もここを見つけやすくなるわ!」

「ひとりぼっちの子はいなくなるです!」
「みんな、さみしくなくなるです!」

その時、種を植えた場所が光だした。

「・・・シャボタン!種は今、なんて言ったの?」

「『この『絆の樹』に花が咲いたときステキなことが起こる』そう言ってたみたい!」

「ステキなこと?」
「おともだちがたくさんです?それともおいしいごはんです?」

「きっと、ウィリードゥが人の姿になるんだわ!」

「わたしたちが、大きくなれるかも!」

「ぼくも『せくしー』になれるです?」

3月E




にぎやかに話す3人を見ていたアミス先生たち
「・・・もしかしたら・・・あの子たちが、たくさんのヒトと友達になれるのかも」
「・・・そうなったら素敵ね」

それを聞いたシャノワールは「やはり・・・」とつぶやく。
「・・・アミス先生」
「気づいていたんだな。あの子達の正体に」

「・・・お昼寝のときとか、よく元の姿に戻ってたもの」
「あの子たちは、人と同じ優しい心を持ってるわ」
「もし、すべての人があの子たちを理解して受け入れてくれるなら」
「それで十分かもしれない」
「・・・でも、世の中にはモンスターに傷つけられたり」
「モンスターを怖がる人たちもたくさんいるの」
アミス先生は彼女たちの『可能性』というものを見ていた。

「ぷるぷる・・・」

「わたしはあの子たちが人の社会で生きられるようにしてあげたい」
「嫌なことや苦しいことがあっても」
「人として乗り越えられる強さをあの子達に教えたいの」

「アミス先生・・・!私たちも、お手伝いします!」

「とーぜん、あたしも協力するわ!」
「シャボタンの友達なら、あの子達はみんな、あたしの弟子みたいなもんだもの!」
ヤヨイとアカリも改めて協力することを誓った。

「ええ、頼りにしてるわ」
「あなたたちみたいに理解のある人が一緒にいてくれて、とっても心強いのよ」

みるくはコソコソと話す。
「(キサラギさん、アミス先生って・・・)」

「(そうね、私たちのことは人だと思ってるみたい。鋭いんだか、鈍いんだか・・・)」


こうして、新たな生徒、ヤヨイ、アカリ、シャボタンが加わり教室内はより一層にぎやかになった。
だが・・・
このときの私たちはまだ何も知らなかった。
アルマと謎の種「絆の樹」の秘密について・・・

この物語は、まだ始まったばかりだ・・・


第3章 おしまい


レーヴェリスから読者へ-

大変遅くなって申し訳ありませんでした。
第3章もとい3時間目はいかがでしたか?
今回は非常に話が短い!ということで最初のほうを自作しました。
シャボタンの話が思ったよりも深くヤヨイについても
春を告げる使者というイメージでしかない方でもこの話で色々感じ取れたのではないのでしょうか?
(たぶん)
あ、ちなみに今回は画像加工している余裕がなかったです・・・
それと今後なんですが生徒数も増えてきましたし
さすがに一人一人セリフも作ったり考えるのも大変になってきましたが
どうなるんでしょうかね・・・これ。
どこまで行くのかハートフル小説「アルマたちと絆の樹」引き続き
お楽しみください!
それではっ!


著者:レーヴェリス
原作:エミル・クロニクル・オンライン「アルマと絆の樹」
スポンサーサイト
記事一覧  3kaku_s_L.png 未分類
記事一覧  3kaku_s_L.png アップデート
記事一覧  3kaku_s_L.png 変更
記事一覧  3kaku_s_L.png キャラ紹介ページ
記事一覧  3kaku_s_L.png バナーページ
記事一覧  3kaku_s_L.png 修正
記事一覧  3kaku_s_L.png BGM

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【3月22日の不具合修正】へ
  • 【4月26日のアップデート】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。